2020-01-01から1年間の記事一覧

読書 「相談の森」

今年最後の月に燃え殻さんの本が届き、読み終わったので感想を…。 同じくネガティブ族として、何かに落ち込んで布団に横たわりながら読むときに、ちょうどいい重さと大きさの本です。そして今や無い本も多いスピンの存在 (萌)。あと、本文の紙の手触りがやさ…

旅に出たいんだ

子どもの誕生日には旅へ出る。 この企画をはじめて何年だろう。子どもが自分の身の回りのことをある程度できるようになってからだから、三年くらいか。毎年、子どもが "心友" という妹が、予定を合わせて一緒に来てくれる。旅費はもちろんわたし持ち。なので…

短編 「ワカちゃんの結婚 続」

「ちょっと、今いいかな?」 上司に呼び出され、取調室のような狭い会議室に通される。何か仕事でミスをしたのだろうかと、ワカちゃんはここ数日をぼんやり思い返していた。「田宮くん、きみ、結婚したそうだけれど、おめでとう」「あ、どうもありがとうござ…

Pretend to be my sister

これはグーグル翻訳で「姉の振りをする」で出てきた英訳だが、はたして合っているのだろうか。髭男の曲名で調べたひとも多いだろうから、pretend はものすごい市民権を日本で獲たのだろうと思う。どうしても前置きが入るな、わたしの文章は。これはイントロ…

短編 「ワカちゃんの結婚」

その大型ショッピングモールの一画にある、全国チェーン展開しているガラガラに空いた宝飾店で、わたしはひとり、結婚指輪を選んでいた。相手は諸事情があって来れないんですけど今日買います、と店員の男性に告げ、プラチナで宝石は裏に一つ埋め込まれてい…

昨日のぜいたく

「不要不急」という言葉を毎日メディアなんかで耳にして、歯医者に行くのすらためらっていたわたしは、虫歯を悪化させてしまったんだった。アホですね。わたしは医者ではないのだし、早目に医療機関に電話で相談すれば良かったと、歯とメンタルを削られなが…

ピント合わせ

夕方、仕事終わりに運転するとき。視界が少しぼやけるなぁと思っていた。わたしはだて眼鏡しか持ってなく、視力検査でも引っかかったことは無かったので、これがかの有名な老眼かな、とか呑気に思っていたのだ。 眼鏡屋の前を通り掛かり、サングラスが欲しい…

中庭で写真を

子どもたちが校庭に出てくるのを待つ間、集うママ友の特にいないわたしは、ひとり校舎の中庭をぶらぶらと散歩していた。小さな池に、鯉だか金魚だか分からない中途半端な大きさの魚が泳いでいた。二宮金次郎は雪のかぶった日も本を開いており、日当たりがよ…

絵本の長い前置き

思えば、わたしの記憶にある、初めて母が入院したのは、妹を産んだときだった。わたしはもうすぐ4才で、父を真ん中にしてふたつ上の姉と川の字に布団を並べ、母のいない夜を迎えた。***** その夜、わたしはよく眠れずに、父のいびきを聞きながら、暗い…

その文に脈はあるか

数年に一度。大抵は自分がなにか決断するとき。決断することは決めているが、それがはたして正しいのか、答えは生きてみなけりゃ分からないってとき。勇気をもらうために、わたしが観る映画がある。『風と共に去りぬ』。1939年公開のアメリカ映画。この映画…

たどたどしさ

アパートにて暮らしているので、何かが壊れると管理会社に電話して、修理業者がやってくることがある。また、ガスや電気の点検が入ることも。今のところ、毎回別の男性がやってくる。 修理や点検が終わると、これはもう何万回も話してきました、というような…

私的偏愛絵本帳 (6/9更新)

薄れゆく絵本の記憶と記録 (はじまり) 好きなものを不定期更新するのに適した話題はないかな、と考えていた。そうだ、絵本を紹介しよう、と思い付いたので、のんびりやってみる。 まず、わたしは絵本というものが好きだ。面白いもの、難しいもの、よく分から…